相続手続き 複雑な戸籍制度

特別養子縁組は現行戸籍でのみ目にする制度

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特別養子縁組が制度化されたのは、昭和63年1月1日からです。

これは、実親が精神的・身体的あるいは経済的事情により、この看護養育ができなかったらい虐待や遺棄など著しく不適当な看護を行うなどにより、子が利益を著しく害されている場合、その子の福祉のため実親から断絶し、養親の実子として育てる制度として始まりました。

制度の目的やその内容から、6歳未満の子供を対象として、この福祉を目的としてます。

戸籍実務では、旧法戸籍に特別養子縁組に関する記述はなく、現行戸籍でのみ目にする制度となります。

普通養子縁組との相違点

①普通養子縁組が当事者の合意で成立するのに対して、特別養子縁組は家庭さん番所の判断により成立する。

②普通養子は養子になっても実親およびその血族との親族関係は消滅しないが、特別養子縁組は嫡出子の身分を取得する一方、実親およびその血族との親族関係は消滅する。

③特別養子縁組は原則として離縁が認められない。

戸籍実務では、家庭裁判所の審判確定による特別養子縁組の届出により、特別養子は実親の戸籍から除外されて、新しい子機背を養親の氏で従前(実方)の本籍地に作られます。

次いで、その新しい戸籍から養親の戸籍に入籍します。

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特別養子縁組の審判が確定した際の、従前戸籍を図解にするとこのようになります。

特別養子縁組によって実親から除籍される子はの身分事項欄およびその次に新たに編製された子単独の戸籍の身分事項欄には「特別養子縁組」の旨が記載されますが、養親の戸籍に入籍した特別養子の身分事項欄には、養親の嫡出子である実子と同じように記載され、『特別養子』という文言は記載されません。

また、養父母との続柄も実子と同じく父母との続柄として「長男や長女、次男」などと記載され、この戸籍を見ただけでは『特別養子』であることが分からないようになってます。

これらのことから、特別養子縁組がなされた場合の相続は、通常の兄弟姉妹と変わらずに見ていけば特段面倒な問題は生じないと思います。

仮に、実親の戸籍の中に、子が特別養子縁組にて除籍されたとの記載がある場合、その子の除籍後の戸籍は、不要であり、実親の相続権はないものと判断します。

また、特別養子の被相続人になり、相続人が配偶者と親または親のみの場合、特別養子の戸籍の身分事項に「民法第817条の2による裁判確定」と記載があれば、実親の戸籍を相続人に求める必要もありません。

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