相続手続き 複雑な戸籍制度

養子縁組が行われた場合の戸籍を読む前に…「養子」とは何であるか?

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養子とは縁組の日から嫡出子と同じ身分を取得します(民法第809条)ので、養子は養親と一等親の血族になるだけでなく、養親と実子と兄弟姉妹になるなど、養親方との親族関係と実方との親族関係の二つの身分を持つことになります。

 

養子は養親に対しても、実親に対しても第一順位の相続権を持ちますが、特別養子縁組(詳細は後述)は普通養子と異なり、養子の実方との親族関係は断ち切れ、養親方との親族関係のみになります。

養子がある場合の戸籍の読み解き方は、現行法と旧法では取扱いが違いますので、慎重に確認する必要があります。

養子に関する現行法と旧法の比較

《養子の身分》

現行法・旧法共通

養子縁組によって普通の養子は、実方血族との親族関係を維持したまま、縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得する。

また、養子と養親の血族との間にも親族関係が発生する。

《養子の氏》

現行法

養子縁組により養子は、養親の氏を称する。

ただし、夫婦の一方のみが養親となる場合、婚姻によって氏を改めた者は、その婚姻中は養子となっても養親の氏を称しない。

例えば、A夫婦のいて、婚姻により夫の氏を称している場合で、その奥様だけが養親となる場合、その養子はA夫婦の氏を称しないとされています。

旧法

養家の家族として、その家族の氏を称する。

養子の戸籍変動

現行法

養子縁組による戸籍の変動は、

①養子が単身の場合は、養親の戸籍に入る。

②養子が夫婦の場合は、養親とは別に養親の氏で新戸籍が編製される。

③夫婦のうち婚姻により氏を改めた者のみが養子となった場合、養親・養子双方の戸籍に縁組事項を記載して、養子の戸籍は新たに編製されることはない。

旧法

養子は養親の家の家族として単身者であっても夫婦者であっても、必ず養親と同じ戸籍に記載される。

よって、養子縁組に関する記載は、養親の事項欄に記載する必要がなく、入籍した養子についてのみ記載した。

《養子縁組前に出生した養子の子》

現行法・旧法共通

養子と養親との養親子関係が生じるのは、養子縁組を届け出た日からであり、養子縁組前に生まれた養子の子は、養親の直系卑属とは限らない。

すなわち、縁組前に生まれた養子の子は、養親と祖父母孫の関係を生じないことになり、養親の相続権について、代襲相続権がないことになる。

ただし、縁組前に生まれた養子の子であっても、その親の一方が養親の実子であるときは、養親と養子の子との間に祖父母孫の関係があるので、養子を被代襲者として代襲相続権有する。

《普通養子の離縁》

現行法

養子と養親との養親関係および養子と養親の血族との養親親族関係は離縁により終了する。

また、養子の配偶者、養子縁組の直系卑属およびその配偶者と養親およびその血族との養親族関係は離縁によって終了する。

戸籍への記載について、養親および養子双方の戸籍の身分事項欄に離縁事項が記載される。

旧法

養子と養親との養親子関係および養子と養親の血族との養親族間駅は、離縁によって終了する。

縁組によって生じた養子の配偶者、直系卑属またはその配偶者と養親およびその血族との養親族関係は、養子の離縁によって当然に消滅するものではなく、これらの者が養子の離縁とともに、または離縁後に、その養家を去った場合に限り養親族関係が消滅する

戸籍への記載は、離縁事項の戸籍上の記載は縁組前の場合と同様、養子側にのみ記載される。

《普通養子が一方の養親の死亡後、線損養親とのみ離縁した場合の死亡養親との縁組事項》

現行法

線損養親との離縁によって、当事者たる養親子関係及びこれに基づくその他の養親族関係は終了するが、当事者以外の他方の死亡養親との縁組関係は消滅しない。

旧法

養親の一方が死亡後、養子が生存養親と離縁したときは、その離縁の効力は亡養親におよび、死亡した養親との養親子関係も消滅する。

養子の身分事項には、生存養親との離縁事項のみが記載され、亡養親との離縁事項は記載されないが、縁組関係は消滅しているので注意が必要である。

《死後離縁》

現行法

養親或いは養子のいづれか一方が死亡した場合でも、生存当事者は家庭裁判所の許可を得て、死後離縁の届出することができる。

また、死後離縁の効力は死亡時に遡ることはなく、死後離縁の届出があった日以降に効力があるので、相続権に影響することはない。

旧法

養親双方が死亡後、養子が死亡養親と離縁する場合、養家の戸主の同意を得て行う。

その離縁の効力は亡養親におよび、死亡養親との養親子関係も消滅する。

なお、養家の戸主となった養子は、隠居して戸主を退いた場合を除き、養親と離縁しることはできない。

 

 

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